【友人の幸せを素直に喜べない自分が嫌だ——そんなときの考え方】

人間関係の悩み

■ はじめに

友人から幸せな報告を受けたとき、あなたはどんな気持ちになりますか?

「すごいね」「おめでとう」と口では言いながら、どこか気持ちが引きつっている。
他の友達は本当に嬉しそうに祝福しているのに、自分だけ何となく心の底から笑えていない気がする。
そのことにふと気づいて、「こんな自分、性格が悪いのかもしれない」と嫌な気持ちになる……。

そんな経験、ありませんか?

たとえば、誰かが結婚したときや昇進したとき、あるいは子どもが生まれたとき。
心から祝いたい気持ちがないわけじゃないのに、なぜか素直に「よかったね」と言えない。
逆に、そう言えなかった自分が許せなくて、ますます自己嫌悪に陥ってしまう。

このような気持ちを抱えたまま、誰にも相談できずにやり過ごしてしまう人は少なくありません。
「こんなことで悩むなんて器が小さい」「他人の幸せを喜べないなんて最低だ」——
そんなふうに自分を責めてしまう人ほど、実はとても繊細で、やさしい心の持ち主です。

この記事では、そんなあなたの心の重たさが、少しでも軽くなるような考え方をお届けします。
無理にポジティブになったり、解決しようとしなくても大丈夫。
ただ、「ああ、自分だけじゃなかったんだ」と思えることが、ほんの少しだけ心を楽にすることがあります。

まずはその気持ちに、自分自身がそっと寄り添ってあげることから始めてみませんか。

■ この感情は“満たされていない心のサイン”

「友人の幸せを素直に喜べない」——この感情を、あなたはどんなふうに受け止めていますか?

「きっと嫉妬してるんだ」「こんなことでイライラするなんて心が狭い」と、自分を責めたくなるかもしれません。でも、その気持ちの正体を、ただの“性格の悪さ”と片付けてしまうのは、とてももったいないことです。

たとえば、友人が長年付き合っていた人と結婚したとか、希望の職場に転職が決まったとか、子どもが生まれたとか……。相手の幸せを心から祝いたいと思っているのに、なぜか胸の奥でザワザワする感情がうまれる。

それは、あなたの心が「何かが満たされていないよ」と知らせてくれているサインかもしれません。

たとえば、自分も恋愛がうまくいっていない、キャリアに行き詰まりを感じている、何となく毎日がパッとしない。そういう「現状へのモヤモヤ」が、友人の幸せという“まぶしい光”に照らされて、あぶり出されるのです。

重要なのは、「自分も満たされたい」「誰かに自分の存在を認めてほしい」という気持ちは、決して悪いものではないということ。
それは人として自然な心の反応であり、あなただけが抱えているものではありません。

「私なんて何もできていないのに…」と思うことがあっても、それでも誰かに認められたいと思う気持ちは自然なものです。
それを恥ずかしいと思う必要も、否定する必要もありません。

感情はいつも、「大切なこと」に気づかせようとしてくれています。
素直に喜べないという気持ちもまた、あなたの心からのメッセージです。


■ こんな場面、思い当たりませんか?

「素直に喜べない」という気持ちが湧いてくるのは、特別な性格のせいではありません。
むしろ、そのきっかけは、誰にでも訪れるような、日常の中のささいな出来事だったりします。

たとえば、こんな場面に心当たりはありませんか?

  • 久しぶりに会った友人から「実は彼氏(彼女)できたんだ」と言われたとき
  • SNSで結婚式の写真がキラキラと流れてきたとき
  • 仕事帰り、スマホに届いた「子どもが生まれました!」というLINE
  • 同期の友人が希望の職場に転職したと聞いたとき
  • 「昇進して年収も上がったんだ」と自信に満ちた笑顔を向けられたとき
  • 自分の悩みを話そうとした瞬間、「うちの弟が○○賞もらってね!」と会話を持っていかれたとき

そんな瞬間、「すごいね!」と笑顔で言いながらも、どこかで自分の心が波立っていることに気づきます。
その違和感は、ただの嫉妬ではなく、「自分も誰かに気づいてほしい」「今の自分も認めてほしい」という切実な気持ちかもしれません。

それでも、「ここで顔を曇らせたら嫌なやつだと思われる」「とりあえず褒めておこう」と気持ちを抑えこむ。
そして後で、「なんであんなふうに感じたんだろう」と、また自分を責めてしまう。

でもそれは、あなたが誰かとの関係を大切にしたいと思っている証。
まずはその自分の気持ちに、優しく気づいてあげることから始めてみましょう。


■ 承認欲求は悪いものではない

「自分だって認められたい」「もっと誰かに気づいてほしい」——
そんなふうに感じるとき、私たちはよく「承認欲求が強いのは恥ずかしい」と思いがちです。

でも実際には、承認欲求はとても自然で、人間的な感情です。

誰かに見てもらいたい。
誰かに「あなたはそこにいていい」と思ってほしい。
誰かに「頑張ってるね」と気づいてもらいたい。

これは、特別な成果があって初めて生まれる感情ではありません。
「ただここにいる自分」にも、そう感じることはあります。

問題は、その欲求に振り回されること。
「なぜ自分はこんなに気にしてしまうのか」と思ったときに、否定ではなく、「今はそう感じている」と認めてあげることが大切です。

無理にポジティブな言葉で塗りつぶすのではなく、まずはその気持ちを受け止める。
それが、自分を苦しめないための第一歩になるはずです。


■ 承認欲求との折り合いのつけ方

① 今の自分を正直に見つめる

まず、「私は今、満たされていないんだな」と自分に言ってあげましょう。
それだけで、少し心の重さが変わります。

否定ではなく、気づきが大事です。

② 相手の承認欲求に巻き込まれない

「すごいね」と言うだけで十分。
深く共感しなくてもいいし、無理に感動しなくてもいい。
淡々と聞き流す力も、大事な自己防衛です。

③ 比べてしまうことを責めない

人と比べてしまうのは当たり前のこと。だからこそ、比べている自分にまず気づいてあげましょう。

「あ、今、自分は比べて苦しくなってるんだな」

その気づきだけで、心に余裕が生まれます。

そしてそのうえで、こう問いかけてみてください。

「私は、どんな“物差し”でこの人と比べてるんだろう?」

それは本当に、自分にとって大事な基準なのか。誰かに植えつけられた価値観ではなく、自分自身が納得できる物差しを探してみることで、比べて落ち込んで終わるのではなく、「じゃあ私はどうしようか」と考える余地が生まれます。

そして、もし気持ちが少し落ち着いてきたら、自分にそっと問いかけてみてください。

「今、自分にできる小さなことって何だろう?」

そこから、ゆっくりと現実に戻っていきましょう。


■ 最後に

「素直に喜べない自分が嫌だ」と感じるあなたは、きっと誰かとの関係を大切に思っている人です。

そのままの気持ちを否定せず、「今そう思ってるんだな」と見つめるだけで、心は少しずつ軽くなります。
そしてもし余裕が出てきたら、小さな一歩を探してみてください。
完璧じゃなくても大丈夫です。

喜べなかったときも、自分を許せなかったときも、それでもあなたは、ここにいるだけで十分頑張っています。


【あとがき】

誰かの幸せがまぶしすぎて、素直になれない時期もありますよね。
そんなときは、少し目を細めてやり過ごしてもいいんです。
それでもあなたの道は、ちゃんと続いていますから。

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